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プレゼンのコツ

優れたプレゼンの背後には、必ず優れたストーリーがあります。ストック画像や箇条書き、退屈な図表に頼らず、人を動かす物語の作り方を見ていきましょう。

数年前、私たちは PowerPoint のどこが嫌いかを人々に尋ねました。熱のこもった何百もの回答をまとめると、こうなります。

  1. 時間: プレゼンづくりに時間をかけすぎて、本番のための時間がなくなる
  2. 集中: デザインばかりいじって、中身をおろそかにする
  3. 自信: 相手を退屈させるのでは、あるいは自分が固まってしまうのではと不安になる

これは、PowerPoint などが創作プロセスをどう組み立てているかを見れば、驚くことではありません。スピーチを書く場合と、PowerPoint を使う場合を比べてみましょう。

色鮮やかなグラフで示した修辞学のカノン。

スピーチを書く場合: 修辞学のカノンは、古代からスピーチ準備の標準的な方法でした。出発点、流れ、方向性がはっきりしています。まずアイデアから始め、構成を作り、装いを与え、練習しながら細部を磨き、最後には自分のものにしていきます。

PowerPoint で書き直しとデザイン変更を繰り返す渦を表したカラフルなグラフ。

PowerPoint のスパイラル: まずテーマを選び、そこからスライドタイプ選び、スライド並べ替え、テキストボックス入力、画像の読み込みをぐるぐる回ります。練習や暗記は、ファイルをプレビューする行為に置き換わります。スライドはカンペのように働き、配布資料はたいていスライドの単なる複製になります。

悪い癖

PowerPoint や Keynote のようなツールは、私たちの働き方そのものを形づくります。会議は長すぎるし、誰も集中しません。中身のないプレゼンが、会議という劇場の一部として受け入れられてしまいました。

1. 「わかっているふり」がプレゼンを殺す

PowerPoint は、人を惹きつけるプレゼンを届けるための道具ではありません。私たちにスライドをデザインさせるための道具です。中身がまとまっていなくても、まるで話す内容を理解しているかのように振る舞うことを強いられます。空疎な話し方を「普通のこと」として扱わされるのです。1
PowerPoint だけが、話したふり、聞いたふりの原因ではありません。ですが、完全に無罪でもありません。

「…悪いプレゼンの責任は発表者にあります。けれど、それだけではありません。PP には独特で強固、しかも広く実践されている認知スタイルがあり、それは真剣な思考に反しています。PP は中身の軽いプレゼンを積極的に生みやすくしてしまいます。」2

人に耳を傾けてもらうには、まずこちらの目で世界を見てもらう必要があります。ストック画像やグラフ、箇条書きでは、それはできません。必要なのは、良いストーリーです。

2. テンプレート遊び

始めることは難しいものです。そして、本番が近づくほど、なおさら難しくなります。人から評価される場に向かう仕事ほど、私たちは本能的に着手を先延ばしにしがちです。

ありがちなプレゼンアプリは、その恐れを和らげるために、最初にテンプレートを選ばせます。テンプレートを選ぶと気分は少し良くなり、始めることが楽しそうに見えます。でも実際には、それは先延ばしです。本当に何を伝えたいのかを自分に問う痛みを、一時停止しているだけです。

3. 文字の壁と箇条書き

スライドに大量の文字を詰め込み、それを読み上げることは、プレゼンを壊す最大の原因です。

その代わり、テキストはストーリーを語るための台本として使いましょう。見せる要素は慎重に選ぶこと。少ないほど強いです。

観客がスライドの文字を読んでいるときに、あなたが同じ内容を読み上げると、あなたの声は相手の頭の中の音読とぶつかります。相手に 2 人分の声を同時に聞かせてしまうのです。

そして、愛されてやまない箇条書きも、プレゼンを台無しにします。箇条書きは:

  • 認知負荷を増やし
  • 無機質に見え
  • 注意を散らし
  • みんなを退屈させ
  • 予測可能にし
  • 見た目も響きもメモっぽくなり
  • 実際にメモであるべきものです

箇条書きで埋め尽くされたスライドは、一見すると頑張って作ったように見えますが、実際にはプレゼンを邪魔しているだけです。こうしたリストは、むしろ あなた自身の 読み上げメモであるべきです。

ストーリーに集中する

現実の世界では、私たちはテキストメッセージやメール、ポストを書きます。あるいは話します。ときどき写真や動画を共有することはあっても、コミュニケーションの中心は言葉であり、それを私たちは素早く使っています。

ストーリーは、どんなプレゼンにとっても本質です。すべてのプレゼンが TED Talk である必要はありません。でも、何かを話すなら、言うべきことが必要です。

iA Presenter を開くと、まずテキスト中心のインターフェースが現れます。デフォルトで焦点が置かれているのは、聴衆が何を見るかではありません。あなたが何を話すかです。

だからまず、ストーリーを書いてください。 ビジュアルはあとで足しましょう。

1 行のテキストだけがある真っ白なキャンバス。

とにかく書き始める: まずは台本を書きます。すでにある文章を読み込んだり貼り付けたりしてもかまいません。どう見せるかを考える前に、まず伝えたいことを書き出しましょう。

タイトルや見出しだけのアウトラインがあるキャンバス。

あるいは、ラフなアウトラインから始める: タイトルを書き、構成を置きましょう。焦点は「何を言いたいか」です。スライドやビジュアルのことは、まだ気にしなくて大丈夫です。

伝えたいことは、たいていすでにどこかに、何らかの形で存在しています。既存のテキストを貼り付けたり読み込んだりすれば、もう半分は終わったようなものです。ページ区切りやビジュアルは、そのあとで足せば十分です。

話すこと ≠ 見せること

スライドを読み上げるのは、相手の注意を失う最短ルートです。そんなことは誰でも知っています。それなのに、なぜ私たちはそれをやってしまうのでしょうか。

人は平均して 1 分に 250 語ほど読めますが、話す速度は 1 分に 150 語程度です。もしスクリーンにある文字をそのまま繰り返したら、観客は先に読んでしまいます。そこで終わりです。ネタバレしてしまうのです。すでに理解したことをもう一度聞きたい人はいません。注意を保ってもらうには、ネタバレを避けること。見せるのは見出しだけにして、その背後にあるストーリーを語ってください。

だから iA Presenter では、あなたが話す内容はあなたにしか見えません。

左に小さな画像、右に見出しとテキストがあるキャンバス。

Editor: iA Presenter の Editor では、スライドに出る要素(タイトル、画像など)と、自分の台本として準備した部分が常に区別して見えます。

左に少量のテキストがあるスライドが投影され、右にコメントを示す吹き出しがある画面。

文字と声: スライドの文字を読まないでください。観客は、あなたの助けがなくても文字を読めます。あなたの役目は、見出しの背後にあるストーリーを語ることです。短く惹きつけるタイトルで、観客の注意をあなたの声へ向けましょう。

では、スライドは読まない。だからといって、今度はテレプロンプターを丸読みすればよいのでしょうか。答えは No です。話者ノートは、カラオケの字幕のようなものだと考えてください。好きな歌なら、すでにだいたい覚えていますよね。でも、万一迷ったときに、元の流れへ戻してくれるものがあると安心です。

ビジュアル: 緊張と注意

スライドを読むということは、みんながすでに見えているものを、もう一度説明しているだけです。では、スライドには何を見せるべきなのでしょうか。

1. Less Is More

強い見出しと優れた画像は、あなたの話を補強します。両者が組み合わさると、アイデアを引っ掛けておける視覚的なフックになります。観客の注意はあなたの声へ向き続けます。

すべての画像が千の言葉に値するわけではありません。ストック画像にはほとんど価値がなく、むしろ観客の知性を侮辱することさえあります。言葉を選ぶのと同じくらい慎重に、ビジュアルも選んでください。

左に細い画像カラム、右にテキストがあるキャンバス。

Editor: iA Presenter の Editor では、画像と spoken text を一緒に確認できます。

左に画像があるスライドと、右にコメントを示す吹き出しが投影された画面。

画像と声: 言えないことを画像でごまかそうとしないでください。画像は、あなたのストーリーへ注意を引き寄せるために使いましょう。あとで配布資料にすれば、その両方を見せられます。

驚きや発見のあるものを見ると、人は耳を傾けます。あなたのストーリーが画像に新しい意味を与えるなら、私たちは聞きます。画像そのものが新しい情報を伝えるなら、私たちは聞きます。みんながすでに見えているものを説明されても、私たちは聞きません。

視覚的なストーリーテリングは、テキストのストーリーテリングと同じくらい難しいものです。適切な画像を選ぶにも、適切な言葉を選ぶのと同じだけの注意と技術が必要です。経験の浅い発表者は、メッセージをなぞるだけの画像や、重ねて補強するだけの画像を選びがちです。どちらも観客を退屈させます。

経験のあるビジュアルストーリーテラーは、話す内容とビジュアルのあいだに緊張関係を作ることで、観客の注意を引きつけます。問いを生み、見たくなる、聞きたくなる画像を選ぶのです。

2. デザインとレイアウト

ストーリーがあり、それを支える優れたビジュアルもある。では次は何でしょう。デザインが必要です。ただし、それだけでは足りません。

問題は、特定のディスプレイに最適化した固定レイアウトのスライドは、その ディスプレイでしか きれいに見えないことです。本番になれば、タブレットやスマートフォン、ほかの画面ではうまく見えません。

PowerPoint はいまだに、厳格な解像度とアスペクト比に従うことを強います。解像度を変えると、プレゼン全体が崩れてしまいます。モバイルファーストでレスポンシブな Web デザインが当たり前になった時代に、ほとんどのプレゼンアプリがいまだに固定的でレスポンシブでないスライドを使っているのは、率直に言って驚くべきことです。

本来、プレゼンはメールのようにスマートフォンでも読めるべきです。拡大縮小もピンチ操作も必要ないはずです。ならば、プレゼンでも同じことができてよいはずです。

できます。iA Presenter は、あなたのスライドをさまざまなデバイスに合わせて自動調整します。どこで見せても、きれいに見えます。

テキストや画像、複数カラムを含むスライドが、さまざまなデバイスに応じてレスポンシブに変化しているグリッド。

デバイス非依存の流動的なデザイン: プレゼンは、ワイド画面、さまざまなプロジェクター比率、プレビュー用のウィンドウ、タブレット、スマートフォンに適応するべきです。

練習して届ける

力を注ぐべきなのは、何を話すかです。準備と単純化に時間をかけてください。本番でプレッシャーがかかったときでも、落ち着いていられることが大切です。

1. 練習、練習、練習

ストーリーを語る練習をすると、2 つのことが起こります。

自分のものになる

練習すると、自分の主張そのものにさらされます。内容を確かめることになります。自分の声が聞こえます。耳を傾けることになります。引っかかる箇所やざらつく部分が見つかります。それを削っていきます。専門家はこれを deliberate practice と呼びます。

不安がやわらぐ

ストーリーを整え、語る練習を重ねるほど、自信は増していきます。自分のストーリーと向き合うことで、気持ちは落ち着きます。記憶をひとつずつ積み重ねて、自分のものにしていくのです。やがて「思ったほど悪くなかった」から、「またやりたい」に変わります。

左にテキストと画像のあるキャンバス、右に吹き出しとスライドがある画面。

編集しながら練習する: Editor とプレゼン画面の両方を開いたままにしましょう。コンマ 1 つ直したいだけでプレゼン画面を離れる必要はありません。

2. 安全網を持つ

バックアップがあるとわかっているだけで、緊張は大きくやわらぎます。そのためにあるのが、テレプロンプターの話者ノートです。きちんとストーリーを書き、適切にビジュアルを添え、練習して、自分のものにできていれば、ノートはほとんど要りません。それでも「ある」とわかっていることは心強いものです。

左にテキストのあるスライドが投影され、右に吹き出しとテキストと画像のあるキャンバスがある画面。

いざという時のテレプロンプター: 目の前に、次に何を言うべきかが正確に見えているというだけで、強力な保険になります。

ストーリーをさらに磨く

優れたプレゼンに必要なことは、アプリ内チュートリアル でもさらに学べます。あわせて、次のブログ記事もご覧ください。


  1. ibid. “By playing around with Phluff rather than providing information, PowerPoint allows speakers to pretend that they are giving a real talk, and audiences to pretend that they are listening. This prankish conspiracy against substance and thought should always provoke the question, Why are we having this meeting?” ↩

  2. Edward Tufte, The Cognitive Style ofPowerPoint: “In day-to-day practice, PowerPoint templates may improve 10% or 20% of all presentations by organizing inept, extremely disorganized speakers, at a cost of detectable intellectual damage to 80%. For statistical data, 1011 the damage levels approach dementia. Since about 1O to 1O PP slides (many using the templates) are made each year, that is a lot of harm to communication with colleagues. Or at least a big waste of time. The damage is mitigated since meetings relying on the PP cognitive style may not matter all that much.” ↩

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