1年前、私たちは2007年をこう予測しました。現実の2007年と見比べながら、ちょっと振り返ってみたいとおもいます。
来年の予測を始める前に、まずは前回の予測の検証を。2007年を振り返って、予測と現実
1. AppleはiPodの独占状態を維持し、OS市場でのシェアを5%から5.1%に伸ばす
ここに私は2つの予測を入れました。まず1つ目(AppleがiPodの独占状態を維持する)は、100%現実となりました。しかし2つ目の予測は5%くらいの的中度です。実際のところ2007年はAppleにとって最高の年となりました。どのデータを見ても、Appleは非常に大きな飛躍を遂げています。OS市場シェアについては、6.81%まで伸びを見せました。
2. Googleはマーケティング・データの優位性からMicrosoftとYahooに差をつける
200%真実です。何も付け加えることはありませんが。GoogleメガネでMicrosoftがどう見えるかを知りたい方は、こちらをクリック。
3. ブログ全盛期、そして2008年は選挙戦へ
100%当たりです。でも、ちょっと簡単でした。
4. SNSはメンバーの金儲けの場に
50%といったところでしょうか。でも、もうすぐだと思っています。
5. 新聞はよりオープンに
100%この通りになりました。The New York Timesをご覧下さい。そしてThe Wall Street Journalもすぐに後を追うでしょう。(最初のステップはもう済んでいるようですから)
6. オンライン広告におカネのにおい
80%。もう半年くらいで、実現となるでしょう。でも、データは明らかに物語っています。
7. 新しいインターネットを専門とした広告代理店の出現
これは残念ながら0%。実現しませんでした。私たちの把握している限り、何の動きも見ることができませんでした。どうやら、私たちのオンライン広告のメカニズムについての認識が甘すぎたっようです。これにはもう一年くらいかかるのではないでしょうか。しかし、ヨーロッパ、日本、アメリカの広告業界、そしてブランド・コンサルティング業界の友人に聞いてみると、メジャーなところの広告代理店はインタラクティブ・メディアに対応するべく、体制を整えなおしているようです。ということは、オンラインだけの広告代理店の出現は、ちょっともう難しいのでしょうか。私は、そうは思いません。オンライン広告は、まだまだおいしいところのあるビジネスだと思っています。ただ、そういったメジャー・プレーヤーの前では、新たなブランドを立ち上げるのが難しくはなるでしょう。
8. ウィルスやスパムの問題はまだまだ大きくなる
100%的中です。巷を飛び交うメールの90%は不要なメールです。私たちのアカウントは常にウィルスやスパムの攻撃下にあります。そろそろGmailに移る時期かもしれません。(どうして私たちがまだGmailを使わないのか、は2008年予測をお読みください)
9. デジタル・アイデンティティによるウェブの信頼性向上
200%この通りです。実名でオンラインに参加することに対して、これからの人々はますます抵抗感を感じなくなってくると私たちは考えています。でも、予想外だったのが、Facebookがこの分野でここまで大きな成功を収めたということです。iAは2006年11月にFacebookのリデザインの公募に参加しましたが、残念ながら採用されることになりませんでした。私たちはそのデザインをドイツのFACTSで使用することにしました。そしてもちろん、FACTSのデザインは美しく、使いやすく、すくなくとも大変に読みやすいものに仕上がっています。(お分かりの通り、私たちはまだFacebookデザインについては悔しい思いをかみしめています。今年は、そんなことが忘れられる年になるといいのですが。)
しかしながら、今年の大きな変化は人々が気付かないうちに実名でオンラインに参加し始めたということです。そしてオンライン中で実名のアイデンティティを広めているのは、デジタル・アイデンティティでも他のなにものでもなく、Facebookでした。でも、彼らはこれをアイデンティティとは呼ばず、ソーシャル・グラフと名づけているようです。
[追記]: ご覧下さい:2008年が始まってすぐGoogleとFacebookはdataportability.orgで、オンラインIDワークグループに加盟することを発表しています。
10. 2007年は、2008年情報革命の前夜祭?
まさに2007年はインターネットのサマー・オブ・ラブです。情報革命(infolution)は2008年の予測です。