iA Writer は、AI ツールから貼り付けたテキストを薄く表示します。ChatGPT の入力を編集して自分のものにしていくと、iA Writer は何が自分の文章で、何がそうでないかを追跡します。

人間と人工のテキストを安全に見分けられるのは、書いている本人だけです。iA Writer は、その区別を支援します。代わりにやってくれる派手なゴーストはいません。どこまで自分に正直でいられるかは、あなた次第です。

この記事は、iA Writer 7 の 歴史理由、そして AI への慎重な応答としてのデザインを扱うシリーズの第 3 回です。

iA Writer 7 では、ChatGPT の出力を手動で AI テキストとしてマークできます。AI テキストは薄く表示されます。これによって、借りたものと自分で入力したものを分けて管理できます。打ったテキストと貼り付けたテキストを分ければ、自分の声、リズム、トーンで考えを伝えられます。

ChatGPT から貼り付け

私たちは 1 年間、AI ツールと集中的に向き合ってきました。ほどなくして、この新しい技術にはさまざまな使い方があるとわかりました。しかし、執筆での主な使い方は 2 つです。

  1. ゴーストライターとして任せる
  2. 執筆について対話する

対話相手としての AI は、考える量を増やし、よりよく書く助けになります。ゴーストライターとしては、主導権を奪い、あなたの声を失わせます。

それでも、返答やメモを貼り付けると役立つことがあります。その情報を使いたいなら、自分のものになるように書き直します。今のところ、従来のアプリでは、私たちが書いたものと AI から貼り付けたものを簡単に見分けることができません。

iA Writer は、上書きしながら、自分の言葉と借りた言葉を見分けられるようにします。AI が生成したテキストの上に入力していくと、それが自分の文章になっていくのが見えます。多くの場合、一般的な代名詞や「to have」「to be」のような基本動詞を除けば、ほとんどの文章は全面的な書き直しが有益だとわかりました。

私たちが作ったものは見た目こそシンプルですが、人間のテキストと人工のテキストを見分けることは、便利なだけでなく不可欠です。

ChatGPT から貼り付けたテキストが薄いグレーで表示された iA Writer のスクリーンショット
Tabula Grigia: 貼り付けたりマークした人工テキストは薄く表示されます
ChatGPT から貼り付けたテキストが薄いグレー、自分で書いたテキストが黒で表示された iA Writer 7 のスクリーンショット
Back in black: Writer があなた自身の言葉を前面に出します

出所を定義すれば、iA Writer が何が自分のもので、何が AI 由来で残っているかを追跡します。可能なところは自動化しました。

コピーと貼り付け

別のアプリで文章を編集してから、著作情報を失わずに戻せます。編集の作者を指定するだけです。私たちは差分を解析し、新しく加わった部分をその作者に割り当てます。

生成されたテキストをコピーするためのコンテキストメニューを開いた ChatGPT のスクリーンショット
Diamond in the rough: AI との会話をコピーします。
iA Writer の Authorship 用ポップアップメニューのスクリーンショット
No secrets: Writer は、ChatGPT や LM Studio Mac アプリからコピーされた会話を検出します。

ChatGPT との会話をコピーすると、質問の前に「You」、返答の前に「ChatGPT」が入っています。私たちはこのパターンを認識し、著作性を自動でマークする提案をします。

iA Writer は、ショートカット、メニュー、右クリックで処理できるようにし、別の場所で文章を編集しても著作性が保たれるようにします。ほんの 1 秒余計にかかるとしても、それだけの価値は十分にあると考えています。

仕組みは?

プレーンテキストを使うという基本方針はそのままです。テキスト内に著作性のマークアップを直接入れる方法も試しました。しかし、2 語ごとに別の作者がつくこともあるため、編集のたびにマークアップが邪魔になります。しかも、読みづらくなりました。

Authorship はファイル末尾の別ブロックとして保存します。これなら文章は読みやすく共有しやすいままですが、著作性を更新して表示するためのツールが必要になります。私たちは、それが適切なトレードオフだと考えています。

ほかでも使えますか?

iA Writer 以外で Authorship 付きのファイルを編集すると、変更によって著作性の注釈位置がずれます。iA Writer はそれを検出して警告します。そのため、他の場所で行った編集を、著作情報を失わずに戻せるよう多くの工夫をしています。Paste Edits From メニューは、選択したテキストと貼り付けたテキストの差分を自動検出し、選んだ作者に変更を割り当てます。

現在、Authorship は iPad、iPhone、Mac 版 iA Writer で使えます。ほかのプラットフォームや iA Presenter にも広げたいと考えています。

未来

機械が処理したものと、人間が心と頭で感じ、考え、表現したものを見られる未来は、誰にとっても利益になると考えています。

概念的には、Authorship は AI が作家にもたらす多くの問題への正しい答えだと信じています。プレーンテキストで著作性を扱うこの方法は新しく、役に立ち、AI テキスト生成を責任ある形で使うための前提条件でもあります。じっくり考え、議論し、設計し、テストしましたが、まだ改善の余地は多く残っています。新しいアイデアの可能性は非常に大きいのです。

Authorship によって、AI との協働の基盤を築けただけでなく、人と人との協働にも確かな土台ができました。すでにほかの人間の著者をマークできます。ただ、次の段階を約束したり発表したりする前に、皆さんの反応を見て、聞きたいのです。

オープンな形式

この新しい形式を Markdown Annotations と呼び、GitHub で仕様を公開しました

このアイデアと実装には、多くの思考、時間、労力を注ぎました。ほかのアプリとも連携し、何らかの形でこの考え方を採用できるよう、できれば標準として広げたいと考えています。

形式はオープンですが、私たちの仕事をコピーしないでください。私たちが作ったものから刺激を受け、変え、改善し、自分で設計してください。十分に優れたものになるまで磨き上げてください。もし私たちのデザインに勝てないなら、そこでやめて別のことをしてください。

では、なぜか?

AI を使った執筆についての私たちの 観察学び は、すでに詳しく書いてきました。要点は次のとおりです。

書くことは考えること。iA Writer は、考えることを楽しくするために設計されています。考える代わりにやってくれる執筆アプリは、あなたの代わりにジョギングしてくれるロボットのようなものです。AI を適切に扱うには、それが私たちに何をするのかを理解しなければなりません。

「成功する AI とは、人間の知性を生み出すことではなく、それを置き換えることだ」 - Luciano Floridi, The Ethics of Artificial Intelligence (p. 23). OUP Oxford.

便利だからこそ、AI による執筆は食洗機、スペルチェッカー、電卓と同じくらい一般的になると私たちは考えています。問題は、どう使うかです。スペルチェッカー、食洗機、チェス用コンピュータ、電卓と同じように、AI を使った執筆も、場面ごとに異なるルールに従うことになります。

AI が思考を置き換える力は、自分のためではなく、対話の中で書くために使うべきだと提案します。ゴーストライターとして使ってはいけません。そもそも、あなたが書かなかったものを、なぜ誰かが読む必要があるのでしょう? 文章の相棒として使いましょう。ChatUI 付きなのですから、質問し、自分の書いたものについても質問してもらってください。もっとよく考えるために使いましょう。思考を手放してはいけません。

他人に対する誠実さは、自分に対する誠実さから始まります。何が自分のもので、何が借り物かを見分けることです。それは執筆のプロセスから始まります。人間の声とロボットのテキストを区別する必要があります。現在のテキストエディタでは、文書を比較したり MS Word の Track Changes で血圧を上げたりしない限り、自分のものとそうでないものを簡単に追跡できません。

使ってみてください!

Authorship は iA Writer 7 の iPad、iPhone、Mac で利用できます。Mac では無料トライアルが利用できます。Apple は、iPad と iPhone の買い切りアプリで無料トライアルを認めていません。将来的にはほかのアプリにも Authorship を広げる予定です。

  • Mac トライアル

iPad と iPhone

すみません。App Store では、買い切りアプリのトライアルは許可されていません。¯_(ツ)_/¯

Mac App Store でダウンロード

この記事は、iA Writer 7 の 歴史理由、そして AI への慎重な応答としてのデザインを扱うシリーズの第 3 回です。